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登山口までのアクセス:公共交通機関(バス&電車)利用の利点/欠点

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登山が趣味の人も、これから始めてみたい人も、頭を悩ませる問題の一つに「登山口までのアクセス」があると思います。登山口までのアクセスは、公共交通機関(バス&電車)とマイカーの二つに大別されます。私のこれまでの経験を踏まえて、それぞれの利点/欠点をまとめてみたいと思います!

最後にいくつかの山域で、具体的な移動方法もご紹介ていきます(๑´ڡ`๑)

公共交通機関(バス&電車)でのアクセス概要

多くの登山口までバスが足を伸ばすようになった昨今、公共交通機関を利用して登山する人の割合は増えていてもおかしくない。実際、私は公共交通機関を利用しての登山がほとんどです。日本一周しながら自転車で行った場所もままありますが(早池峰、岩木山、屋久島など)。

都心に住んでいると「車を持っていない」という人も多いと思います。かく言う私も東京都心部に住んでいたので、車を持つという選択肢は日々の検討にすら上がりませんでした。そうなると、普段車の運転をする機会があまりない、そんな人も多い事と思います。

このようなタイプの人は公共交通機関での登山がおすすめです。なぜなら、登山口までのアクセスは通常の道路より狭くて険しくて危ないことが多いからです。

公共交通機関(バス&電車)利用の利点

それでは、バス・電車を利用した際の利点・欠点を考えてみたいと思います。

まずは利点から挙げてみましょう。

  1. 車を持っていなくても登山ができる。
  2. 登山前に運転で疲れない。
  3. 登山後の疲れた状態で運転するリスクを避けられる。
  4. 登山後にビールが飲める。
  5. 縦走登山で車の回収を考えなくて良い(超重要)。

車を持っていなくても登山ができる。

私はマイカーを持っていませんが、これだけ登山しています。

車がなくても登山を趣味にすることは十分可能。

登山前に運転で疲れない/登山後の疲れた状態で運転するリスクを避けられる。

人によっては車の運転ってすごく疲れますよね。普段乗らない人は特にです。

加えて、登山後の疲弊した状態で車に乗るのもリスクがあります。息をするように車に乗れる人はいいのですが、「よし、車で、いくぞ!」と構えてしまう人、乗りなれていない人が登山後に運転するのはかなりのリスクがあると思います。

登山後にビールが飲める。

登山後にビールを飲めるのは結構大事かも?

マイカーだと下山後にビールが飲めないという悲しみを味わいます。特に複数人での登山だと、運転手だけ飲めないので辛いですね。

縦走登山で車の回収を考えなくて良い

公共交通機関を利用する一番の利点がこれです。行きも帰りも車を利用しない訳です。それはつまり、登山口と下山口が異なっていても問題ない、車を回収に行かなくて良いということなんです。

縦走登山とは、「ある山から登り、山頂から他の山へ稜線続きに歩くこと」を言います。縦走では多くの場合、登山口と下山口が異なるので、マイカー派の人は何とかして登山口まで車を回収しに行く必要があります。

これは、マイカー登山での最大のデメリットであり、多くの人が頭を悩ませる点ですね。この問題からストレスフリーとなるのが公共交通機関のいいところ。

マイカーの人は複数の車を用意し、下山口にあらかじめ車を一台置いておくか、車の移動サービスを利用するか(高額)、あるいはバスやタクシーで登山口まで戻るか、のいずれかとなります。

・・・

こうして考えてみると、公共交通機関での利点、それは「とにかく車に乗る必要が無い」ということですね。当たり前ですが、これは”ある層”にとっては極めて重要なことです。車ありきではなく、移動はバスや電車を利用して、登山に集中したい。そんな人にはバス&電車の登山が向いています。私の登山記録ではたいていの場合、アクセス方法まで書いていますので、参考にしてみてください。

公共交通機関(バス&電車)利用の欠点

  1. バスの便が限られている、時間に融通が利かない。
  2. 電車&バスではアクセスできない登山口が存在する。
  3. 冬は運休となるバスが多い。
  4. 電車&バス移動だと地味に疲れる。
  5. 登山口からちょっと離れた温泉に行きにくい。
  6. 他の観光を絡めづらい。

バスの便が限られている、時間に融通が利かない。

北アルプスや夏の南アルプス、あるいは中央アルプスの様にバスの便が多い山域もありますが、バスの便が極めて限定的で、現実的には利用が難しい山も存在します。最たる例は九州の大崩山です。この山は超絶景な上にバスが出ていますが(延岡駅~上祝川温泉)、平日のみ運行なのでサラリーマンには辛いところ。

大崩山 登山~九州の秘境で、比類なき絶景を求めて~

また、バスを利用する最大のデメリットは「下山の時間が限られる」ということです。最終便を逃してしまえばそれでジ・エンド。社会人的には即・上司へ連絡するかタクシーを呼ぶか・・・しかし、携帯が通じない登山口もまだまだ存在するため、そしたら無断欠勤・試合終了ですね\(^o^)/

電車&バスではアクセスできない登山口が存在する。

メジャーな登山口はバスのカバー率が飛躍的に高まってきた今日ですが、微妙な登山口は利用できないこともしばしば。例えば北アルプスの三股(蝶ヶ岳・常念岳)などがそうです。ここから登れたらなぁ・・・と、計画段階で指をくわえる事もしばしば。

冬は運休となるバスが多い。

これも極めて厄介な問題です。仕方がない面が強いですが、公共交通機関派にとっては辛い所。特に奥秩父なんかは車が無いと冬の間、登山が難しいですね。有名な金峰山はマイカーが必要となります。

電車&バス移動でも地味に疲れる。

電車&バスでの移動時間が4~5時間ともなると、なかなかに堪えるものです。例えば、群馬の名峰「谷川岳」は年間を通して公共交通機関で行ける有り難い山ですが、我が地元横須賀から行こうと思えば、電車で5時間です。マイカーでも同じことでしょうが、登山後にこの移動はかなりキツイ。

登山口からちょっと離れた温泉に行きにくい。

登山後の温泉、それは登山本体の目的に勝るとも劣らない楽しみだと思います。特に縦走で何日か山にこもる場合は特にですよね。とは言え、下山口から温泉がちょっと離れているということもよくある話。マイカーであればそんな移動はたいしたいことがないでしょうが、バス移動ではそうもいきません。不通なこともあれば、都合いいバスが出ていないこともあり、泣く泣く諦めることも。

他の観光を絡めづらい。

一も二にも登山がメインの旅であれば構いません。しかし、例えば「登山プラス観光」で出かける場合はマイカーが無いと不便でしょう。例えば、男体山に上った後、華厳の滝や竜頭の滝を見たり、日光を観光したいと思えば車が要ります。現地でレンタカーを借りるという手もありますが、それなら初めからマイカーでいいのではないかと言う気がしますよね。

公共交通機関(電車・バス)を利用した登山口までの移動例

  1. 大雪山(北海道)
  2. 白神岳(東北)
  3. 裏銀座縦走(中部)
  4. 三嶺~剣山縦走(四国)
  5. 九重山(九州)

公共交通機関(バス・電車)を使った移動ってどんな感じなのか?日本全国の山で実例を交えてご紹介したいと思います(๑´ڡ`๑)

大雪山へのアクセス(バス・電車利用)

大雪山は広く、表大雪や東大雪など広義には莫大な山域を意味しますが、ここでは中核となる表大雪(旭岳、白雲岳、北鎮岳、黒岳など)についてご紹介します。

大雪山の玄関口は主に二つ。一つは黒岳(日本の紅葉はここから始まります)、もう一つは旭岳(北海道最高峰)。

  1. 旭川駅(バス)~層雲峡(ロープウェイ&リフト)~黒岳
  2. 旭川駅(バス)~層雲峡(バス)→銀泉台(登山口)~赤岳
  3. 旭川駅(バス)~旭川ビジターセンター(ロープウェイ)~旭岳

バス・電車を利用した場合、大雪山登山の主たる移動は上記の三つとなります。黒岳には唯一「ビール、コーラ、カップ麺」が売っているため、これをどう利用するかはプラン次第。北海道の山は基本的に売店などが皆無ですので、本州の人は要注意。

何せよ、起点となるのは旭川駅です。旭川駅は駅ビルにイオンがあったり、旭川ラーメンが美味しかったりと凄くいい場所ですよ。そこからバス一本で移動できるので、初めての北海道登山に最適。

  • 新得(バス)→トムラウシ温泉→トムラウシ短縮コース→トムラウシ

他にも、新得町からトムラウシ温泉行のバスを利用して、トムラウシから入山する方法もあるにはありますが、こちらは上級者向き、かつ基本的にテント泊が前提の移動となります。

登山記録「【大雪山~十勝連峰縦走】トムラウシの難所「ロックガーデン」を越えて」では大雪からトムラウシを越えて十勝連峰まで縦走、「【大雪山】絶景の大雪山縦走&初のテント泊!その2(赤岳~緑岳~白雲岳~黒岳)」は表大雪で完結している記事ですので、参考にしてみてください。

白神岳へのアクセス(バス・電車利用)

白神岳は世界遺産「白神山地」の主峰にして第二の高峰(最高峰は向白神岳)。バス・電車利用のみで登山可能です。

  • 秋田(電車)~白神岳登山口(徒歩)~白神岳

東北は公共交通機関でのアクセスが厳しい場所なんですが、白神岳も例に漏れず凄い場所にあります。青森県深浦という場所、日本で10指に入るであろう田舎ですので、宿泊や買い出しを考えると秋田駅を拠点にするのが良さそうです。

白神岳登山口辺りにはお店などがありませんので、事前の買い出しが必要。車であってもかなりの距離コンビニがありません。

白神岳は登りも下りもコースタイムが短い上、山頂にきれいで大きな避難小屋があり、初心者でも登ることが可能。テントが要らないので、一泊二日の登山を楽しみたい方にもおすすめですね。

【青森県・白神岳】世界遺産「白神山地」の美しいブナ林を一望する登山」では日帰り登山していますが、例えば金曜の仕事後に秋田駅まで移動しちゃって、次の日、早めに移動、土曜は避難小屋に泊まって日曜に帰るなんていうプランも楽しそうです(๑´ڡ`๑)

裏銀座へのアクセス(バス・電車利用)

裏銀座とは北アルプスの烏帽子岳、野口五郎岳、水晶岳、鷲羽岳、三俣蓮華岳、双六岳、槍ヶ岳を通る縦走路のこと。バス・電車利用でのアクセスが便利です。

  • 信濃大町駅(乗り合いタクシー)~七倉山荘(タクシー/徒歩)~高瀬ダム~烏帽子岳…槍ケ岳→上高地/新穂高温泉

七倉山荘に宿泊するか、テント泊する条件で乗り合いタクシーを利用することが可能。「乗り合い」というものの、〇〇人集まらないと出発しないという訳ではなく、一人でも使えるのがいい点です。信濃大町からの出発となりますが、タクシーが来る時間が限られていますので要注意。

下山は槍ケ岳から上高地へ下りるか、槍沢方面から下りる事もできます。槍ケ岳まで行かなくても、手前の双六岳から鏡平方面、新穂高温泉へ下山することも可能です。いずれにせよバスが出ているので便利ですね。「北アルプス裏銀座縦走:絶景カールの黒部五郎岳、双六岳から望む大迫力の槍ヶ岳」では、天候悪化により鏡平経由で下山しています。

三嶺~剣山縦走(バス・電車利用)

四国で屈指の人気縦走路、それが三嶺から剣山を歩くコース。笹に覆われた気持ちのいい稜線歩き、剣山から眺める次郎笈、三嶺は360度の大展望と楽しめます。

  • 阿波池田駅(バス)~久保(バス)~名頃~三嶺~剣山~見ノ越(バス)~阿波池田駅

三嶺や剣山は四国山地の中でも大変な山奥に位置しており、マイカーで行く場合はそれなりのドライブ技術が必要ですが、バスなら安心です。久保や名頃はこれまたとんでもない田舎ですので、買い出しは必ず事前に済ませておきましょう。

【三嶺~剣山 縦走登山】天の川、夕焼け、雲海など絶景が凝縮された山歩き」では阿波池田にて野宿していますが、阿波池田にいくつかホテルがあったと思います。スーパーがあるので買い出しはここで済ませちゃいましょう!

九重山(バス・電車利用)

九州本土最高峰の九重山はアクセスが良く、バスで簡単に行くことができます。祖母山、阿蘇山、雲仙岳などもバスがあるので、九州は比較的アクセスが良い場所と言えそうです。

  • 別府駅~牧ノ戸峠(長者原)~九重山

九重山は別府駅からのアクセスが良好。九州横断バス一本でアクセスでき、牧ノ戸峠と長者原、二つの玄関口があります。「九重山 縦走登山~九州本土最高峰と星空を巡る旅~」では牧ノ戸峠から入って九重山を縦走し、長者原から別府駅へと戻りました。

九重山と言えばミヤマキリシマ。この時期はバスが激混みするようなので、かなり早くからバスの予約をしておく必要がありそうです。

まとめ

マイカー/公共交通機関どちらも使えればそれに越したことはありませんね。しかし、私は公共交通機関を利用し、多少タクシーを併用することで行けるところまで行きたい考えです。なぜなら、登山後に車に乗ったら事故を起こす気がするので。その意味で単独ハイカーにバス・電車は打ってつけ。複数人なら運転手を交代できますが、単独だとそれすらできません。

自分が一番快適・安全に登山するための方法をぜひ見つけてみてください(๑´ڡ`๑)

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名前:清宮(きよみや)
2016~2017年、自転車日本一周達成。日本一周中に山の魅力に気づき、そのまま登山と山岳写真にハマる。でっかいカメラ担いで日本中の山を歩いています。夢は山ガールと登山すること。


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