九州 登山記録

大崩山 登山~九州の秘境で、比類なき絶景を求めて~

投稿日:2017年4月16日 更新日:

九州最後の秘境とも言われる大崩山(おおくえやま)を登ってきました!ここでしか見ることができない巨岩の織りなす景色は圧巻の一言。秘境と言われるだけあって人も少なく、山の懐の深さを改めて感じる登山となりました。

大崩山登山~コースタイム~

初めての大崩山ということで、岩場やロープはかなり慎重に歩きましたが、それでも参考コースタイムより少し早いかなと言う感じです。1日目は延岡からバスで大崩山荘まで、2日目は大崩山荘から山頂へ!登りは湧塚尾根、下りは坊主尾根を使っています。

1日目

  • 15:50 延岡駅 宮崎交通バスセンター
  • 17:10 祝子川温泉
  • 18:10 大崩山登山口
  • 18:40 大崩山荘(テント幕営)

2日目

  • 7:00 湧塚分岐
  • 8:20 袖ダキ
  • 9:00 下湧塚
  • 9:50 上湧塚
  • 10:20 山頂分岐
  • 11:00 大崩山
  • 12:50 小積ダキ
  • 13:10 象岩
  • 14:10 坊主岩
  • 15:20 大崩山荘

【1日目】15:50 延岡駅 宮崎交通バスセンター

大崩山までは平日のみバスが運行しているため、今回はこのバスを利用してアクセスしようと思います!拠点となる延岡駅は全面改修と言わんばかりの工事っぷりでした。

駅前にある宮崎交通のバスセンターへ!延岡~祝子川温泉(ほうりがわおんせん)の切符(1080円)を事前に購入しておきます。当日のみ有効なので帰りの分はバスで支払います。

上祝子線バス時刻表

繰り返しますが、バスは平日のみ運行ですのでお気を付けください。

バスに乗った直後にうたた寝。しばらくして目を覚ますと、目の前にはとんでもない景色が広がっていました。

近っ!壁、近っ!

祝子川温泉への道路は狭いと聞いていましたが、まさかこれ程に狭いとは。バスが通るのに本当にぎりぎりの道幅しかなくて、すれすれを通っていきます。

こんな山奥を対向車なんて来ないと思うじゃないですか?

・・・めっちゃ来る。その度にどちらかがバックして少し広いところまで移動・・・

(車の運転苦手の人が来たら死亡します、マジで。)

17:10 祝子川温泉

祝子川温泉に到着!祝子川温泉から登山口まで歩いて1時間程度。日も傾き始めてますし、先を急ぎましょう。

18:10 大崩山登山口

18時過ぎに大崩山の登山口に到着!

暗くなる前に幕営地まで到着したいので、ちょっと足早に進んでいきます。

大崩山は水が豊富な山なので、少し上るとすぐに川が見えてきました。

水を簡単に入手できるのは有難いですね!一方で、増水すると登山困難になるらしいので、明日の登りでは”それなりの水量”に留まっていることを願うばかり。。。

18:40 大崩山荘(テント幕営)

大崩山荘に着きました!今の時期は19時になると随分暗くなりますからね、その前に着いてよかった。

初めての山域で、大崩の名に少しビビっていたのか、テント場についてこんなにホッとしたのは久しぶりです。

安心してばかりもいられません。ここは山の中、暗くなり始めると一気に真っ暗になるので、急がねば。

わかります。何はともあれ、まずはビールを冷やすことから。これで一安心。後はテントを張ってゆっくりまったり。

え?テント?いや何ですか、幕営地にさえ着いていたら、暗くても明るくてもあまり関係ありませんしね。慌てずにゆっくりといきましょう。

今日の夜ご飯は豪華にホルモン焼き野菜ミックス!川でキンキンに冷えたビールも添えて、こんなん最高じゃないのやだー(๑´ڡ`๑)

山で食べるホルモン焼き、美味すぎてクセになりそうだ。

ビールで程よく酔っ払って、お休みなさい。

【2日目】大崩山荘から登山スタート!

幕営地は大崩山荘のすぐ近く。正式なテント場ではありませんが、テント場としてよく利用されているんだそうです。

さあさあ!大崩山の登山、ここに開幕です!

大崩山荘の目の前が分岐点になっており、登りでは湧塚尾根(わくづかおね)を、下山では坊主尾根を利用します。

湧塚尾根は三里河原方面へ!

大崩山はロープ、梯子、岩場が連続・・・と言うかそんな場所がほとんどです。

まずはロープの軽いジャブをかわしつつ先に進みます。

7:00 湧塚分岐

ここで登りの尾根に取り付くため、湧塚尾根へ!いよいよ本格的な登りの始まりですね。

目の前に大崩山らしい景色が!

川を覆いつくす程に溢れた岩、頭上には岩の塔とも呼べるような巨岩がそびえています。これです、これ。こんなんが見たくて大崩にやって来たのです。

“早くあそこに行きたい”・・・気持ちの昂ぶりを抑えつつ、前へ前へ。

下の方は、むす岩と小さな川が美しい樹林帯となっており、この辺はマイナスイオンたっぷりと言った感じ。爽やかな登山道が続きます。

頭上には青空、足元にはダイナミックな大自然。スタート直後からテンション上がりますね。

8:20 袖ダキ

登山開始1時間半程度で、袖ダキ(そでだき)への分岐へ!

ここで間違っても「山頂」の案内に騙されてはいけませんよ。向かうべきは袖ダキです。

袖ダキからの展望

“なんっじゃこりゃー!!!”

そう叫ばずにはいられない程に大迫力な岩壁が目の前に広がります。左手に見えるこの巨岩は小積ダキ(こづみだき)、木と比べるといかに巨大な岩なのかがお分かりいただけるかと思います

右を見れば、これぞザ・大崩山という景観の下湧塚(しもわくづか)の鋭鋒がそびえています。

奇跡だ、自然の奇跡だとしか言えないような造形美。

小積ダキと下湧塚に興奮するあまり、下に落ちないように気を付けましょう。ここは自然の中、手すり等ありはしません。大崩山の岩は滑らかで丸いため、バランスを崩すと・・・白目

袖ダキから先は岩の道を登ったり下りたりして、湧塚コースを進みます。

9:00 下湧塚

下湧塚から見た上湧塚(左のピーク)はこんな感じ。下湧塚と比べると、中と上はやや控えめな感じ。

しかし、こうして見ると、とんでもない登山路を歩いていますよね(汗)

上湧塚の最後の登りまで来たんですが、おかしくない?ここから先がちょっとおかしいくらい細いんだけど?

道を間違えたのかな?いやでも、はしごかかってるし?

・・・え、狭、うそ、全然無理!・・・

ザックを背負ったまま通るのは不可能でした。しかたないので、ザックはおいてカメラだけ持って進みます。

9:50 上湧塚

上湧塚からの景色は壮観!手前に見えるのは中湧塚です。

いや、本当に狭いしめっちゃ急!(ほぼ垂直!)

初めてだから分からないけど、他にも道がある、はず?そうじゃないとここ通れない人が続出するレベルの難易度でした。

10:20 山頂分岐

湧塚を歩いた後は山頂を目指します!

山頂への道は何とも殺風景で、どこが登山道なのかイマイチ分からない変な感じ。

11:00 大崩山

大崩山(1644m)登頂ー!!!

・・・なんですが、実は大崩山の山頂はここまでの絶景が夢だったかのようながっかり具合(笑)

大崩山に来ても山頂には来ない人も多いみたい。とは言え、私は初めての山行ですからね、一回目はピークを踏んでおきました。

12:50 小積ダキ

山頂付近でお昼ご飯をサッと済ませ、坊主尾根から下山します。

しかし、ただの下山と侮ることなかれ。その道中は素晴らしい景色で溢れているのですよ!

小積ダキからの景色、すっげぇー!!!!!

なんじゃこりゃー!!!!!

ちょ、やば、絶景過ぎ・・・。

目の前には象岩をはじめとした巨岩がひしめき合い、四方を山に囲まれた景観は「秘境」と呼ばれるに相応しい、すばらしいものです。

大崩山にはツルツルで丸みを帯びた花崗岩が至る所に埋まっています。どうしたらこんなことになるのか・・・自然の神秘!

小積ダキから少し下りた所に象岩という展望地があるので向かいます!

(間違えて一回通り過ぎてた汗)

大崩山はとにかくロープが多いので、何かしら手袋の類は必須。しっかり握りしめていきましょう。

13:10 象岩

ここからの展望もまた、圧巻です。

まるでコンクリを塗り固めたかのように滑らかな巨岩。この上を歩きながら望む展望は、筆舌に尽くしがたい、スケールの大きな光景でした。

スリリングな坊主尾根を下る

さあ、景色を十二分に堪能した後は坊主尾根を下っていきます。

こんな斜めった岩の上を歩いたり、

急こう配を下ったり、

岩の上を歩いたりと、非常にスリリングな登山路となっております(白目)

大崩山は全体的に危ない箇所が多い、と言うか危ない場所ばかりなので、登りも下りも細心の注意が必要。私のように写真撮るのに興奮するあまり、気付いたら空を飛んでいた・・・なんてならないように気を付けないとですね。

ここが一番怖かったかな?

慎重に、慎重にいきましょう。

14:10 坊主岩

尾根の名前にもなっている坊主岩までやって来ました!

こうして見るとそこまで大きく感じませんが、近づいてみるとめっちゃ大きな岩です。クライマーの人はこういうの見ると登りたくなっちゃうのかな?

岩場を過ぎると急こう配の道となります。ここから一気に高度を下げていく感じですね。

増水するとヤバイ、坊主尾根の渡渉箇所

湧塚尾根も増水すると渡渉が必要のようですが、特におヤバイのが坊主尾根、最後の川です。

増水すると股下や腰くらいまで水位が上がることもあるそうで、そうなると一気に登山の難易度が上がります。

祝子川温泉のオーナーさんに「水量は多い方」と言われてビビってましたが、何とか岩を飛び渡って行けそう・・・かな?

いける、俺ならやれる。・・・渡渉しても良いんですけどね、今日はやれる気がする。

気合でジャンプ!!

(左のつま先、無事に水没)

川を渡るとそこは大崩山荘。無事に戻ってきて登山完了!

夜ご飯は、辛いラーメンに野菜を加えて、豪華に頂きましたとさ(๑´ڡ`๑)

これで登山は完了なんですが、実は3日目があるので簡単にご紹介します。

【3日目】日曜日でバスがないので町に戻れず

時間的にも体力的にも、昨日登山後に町に戻りたいところなんですが、上でもお伝えした通り、上祝子線は土日運休です。

金曜日にバスで延岡から祝子川温泉に来て、土曜日に登山をしたので、本日(日曜)はバスが無いので下山できず。。。

承知の上で来てますからね、今日は大崩山でまったり過ごしましょう。

それにしても、大崩は苔むしている感じがどこか屋久島に似ている気がしますね。人の手がほとんどはいっていないからでしょうか?

麓に温泉があることですし、どうせなら入らなきゃ損ですよね。

祝子川温泉「美人の湯」で登山の疲れを癒します。

温泉はあっさりとしたシンプルなものでしたが、内装はきれいだし、何より露天風呂から大崩山を一望できるのが素晴らしい。

露天風呂からこんな感じの景色を堪能することができます!

手前にある像は山幸彦(やまさちひこ)として知られるホオリノミコトです。実はここ祝子(ほうり)は、このホオリノミコトが祝子川で産湯に浸かったことに由来しているんだと言います(ほうり≒ホオリって事ですね)。

お昼は美人の湯で定食を頂きました。

山菜の天ぷらが最高です。

さて「この後は近くのキャンプ場に寝床を移して一杯やるか」そう思い、歩き出したところで地元の方にお声がけ頂き、”うちで晩御飯食べてけ!”とご招待いただいたので、有り難くお呼ばれすることに!

お父さんと昼間っから、大崩山の山麓で「大崩山(芋焼酎)」を頂きます!

山の話、祝子の話、話題に事欠くことはありません。猪のお肉やらタケノコやら、豪華な夜ご飯を「これでもか」という程たらふく頂き、酒も入って大盛り上がり。

おばあちゃんが何を言っているのか方言で3割程は分からないのも良いじゃないですか(๑´ڡ`๑)

・・・まさか大崩山登山で地元の方のご自宅に上がれるとは思ってもみなかったので本当に驚きました。お父さんとひたすら焼酎を飲んでは笑いあい、その後は・・・想定通り爆睡(笑)

翌日の朝8時の便で延岡に戻り、大崩山登山、無事に閉幕です。

登山データ

  • 日程:2017/4/14~2017/4/16
  • 行程:4/14 延岡駅⇒祝子川温泉⇒大崩山荘、2017/4/15 大崩山荘⇒大崩山⇒大崩山荘、4/16 大崩山荘⇒祝子川温泉…4/17朝のバスで下山
  • メンバー:単独
  • 天候:晴れ
  • 主なピーク:大崩山(1644m)

交通手段

平日であれば上祝子線(宮崎交通)が利用できますが、地元の人が利用するコミュニティバスとしての側面が強く、土日は運休です。土日に登る場合はタクシーかマイカーとなります。

延岡から上祝子までの道は「車1台通るのがやっと」という難所続きですので、車で行く場合は細心の注意が必要ですね。

大崩山登山を振り返って

正直言います、本当に絶景です。日本百名山に選ばれていないこと(深田久弥さんは登っていないらしい)、場所が山奥オブ山奥でアクセスが超悪い事などから、他の山域と比べて人は少ないです。静かな山行で、この景色を堪能できるなんて・・・他ではないでしょう。日本アルプスとも、どの山とも趣を異にした景観を持つ大崩山。「山好きなら登らずには死ねない山」と言っても過言ではないと思いますよ。

地元の方との交流というサプライズまであり、本当の本当に、最高な山行でした(๑´ڡ`๑)

           

  1. yamaten より:

    登頂お疲れ様でした。
    自分は結構登ってますが、山頂踏んだのは1回だけです(笑)
    また登りたくなりました。

  2. 清宮 健太 より:

    ありがとうございます(๑´ڡ`๑)
    おそらく、私も今後山頂まで行くことはないだろうなと思います笑
    本当にいい山ですね。また必ず再訪したいと思います。

  3. かおりん より:

    祖母傾から大崩まで、楽しんでいただけたようで(*^_^*)
    移動も含めて殺人的スケジュールでお疲れさまでした~(笑)

    わたしも九州ではこの山域が一番好きなんですよ
    基本的に人に好きなものを押し付けないようにしてますが、あのときはついつい絶対大崩に!と言ってしまいましたが、晴天のもとこの景色を見てもらえて嬉しいです(*^▽^*)

    そうそう、上ワクはもちろん巻き道がありますよ~(笑)
    わたしあそこは登れないです(´艸`*)

    そしてやっぱり素敵な写真ばっかり(#^.^#)
    めちゃ楽しみながら読ませて頂きました

    あともいっこめちゃ共感したのが鹿問題‥( ̄ー ̄)
    もう数年前から猟銃持って山行こうとか言ってましたww

  4. 清宮 健太 より:

    ありがとうございます(๑´ڡ`๑)
    いやぁ、まじで疲れました。笑
    ご来光を見ながら移動して下山してブログ書いて・・ちょっとめげそうでした。
    大崩、祖母、本当いいですねぇ!
    大山でお二人に出会わなければ大崩はスキップしていたかもしれないので、本当に感謝しています。
    上ワクは巻き道あるんですね(笑)
    いやぁ、あれはザックを置いても通るのがかなり厳しかったので、通れない人続出だろうと思いましたもん٩(◦`□´◦)۶
    愉しんでいただけて何よりです!次は一大イベントである屋久島に向けて再スタートです!
    どうぞお楽しみに☆
    (祖母山の枯れ具合はマジで心配になりましたね・・・ブログに写真乗せるのもためらうくらいに)

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名前:清宮(きよみや)
2016~2017年、自転車日本一周達成。日本一周中に山の魅力に気づき、そのまま登山と山岳写真にハマる。でっかいカメラ担いで日本中の山を歩いています。夢は山ガールと登山すること。


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