登山記録 登山道具

秋(9月~10月)に北アルプスでテント泊登山する時の装備【まとめ】

投稿日:2017年1月6日 更新日:

2016年9月と10月に北アルプスへテント泊・縦走登山に行ってきました。晩秋の北アルプスは空気が澄んでいて景色は美しく、人が少ないので静かな山行が楽しめるおすすめの時期です。一方で、気温がぐっと下がり、寒い時は氷点下まで落ち込みます。10月は降雪の可能性もあるので、夏山登山とは違った装備が必要になってきます。

そこで、秋~初冬の時期に北アルプスへ登山する場合の持ち物、装備をご紹介したいと思います(๑´ڡ`๑)

ウェア類

秋~初冬の北アルプスは昼と夜の寒暖差がとても大きく、昼は案外軽装で行動ができてしまう一方、夜は氷点下まで下がることがある厳しい環境。どちらにも対応できるウェアを持って行くことが重要です。

行動着

秋とは言え、太陽が出ている日中は汗ばむ陽気なことも多く、上半身は中厚手のインナー+半袖Tシャツ+ソフトシェルと動きやすくライトな服装が基本。日没が近くなって気温が下がったり、強風だったりする時はこれにレインウェアを重ねて調整します。それでもなお寒いと言う場合、レインウェアの下にフリースなどミッドレイヤーを着て暖を取りましょう。

太陽が出ている日中、用心し過ぎて厚着すると汗をかいてしまうので、いきなり多く着こむのではなく寒くなったら追加していく感じです。

パンツは夏用のインナー+中厚手のパンツです。この時期のパンツについては、内側が起毛しているような中厚手の物がおすすめ。これに夏用のタイツを履けば十分でしょう。逆に、中厚手のインナーにライトなパンツでも大丈夫です。

就寝着

テント場に着いたらすぐにフリースダウンを着ます。テント場に着いて歩くのを止め、日が暮れ始めると体温が急激に下がってきます。行動中にかいた汗が冷えて体温を奪ってしまうからです。私は行動用のインナーの上に、もう一枚インナーを重ねました。この辺は色々とやり方があると思いますが、厚手のインナー1枚で昼も夜も過ごそうとすると、昼は暑くて夜は寒いという事態に。

秋は寒暖差が大きい時期。面倒がらずに「寒くなったら重ね着する」のスタイルが最も汗と上手に付き合えるのではないかと思います

ソックスも就寝時は重ね履きします。寝る時にどこが一番寒くなるかと言いますと、圧倒的に足先なんです。寒さを通り越して痛い、そんな時は足先を守るために貼る用のホッカイロを利用します。貼るホッカイロは寒い山で心強い味方となってくれますよ。持ち運んでもそれほど荷物になりません。

ウェアリングのイメージ/おすすめのウェア

末端対策

普段は末端冷え性でないと言う人でも、北アルプスの夜は堪えます。とにかく体の末端が冷えてくるので、帽子やグローブなど、体の末端を守る装備類はウェアと同じくらい重要です。

グローブ

グローブ類は必須。私は軍手で乗り切りましたが、出来ることならきちんとした登山用のグローブが欲しいですね。また、北アルプスではハシゴや鎖を掴む機会が非常に多いので、金属を握った時に滑らない素材のものにしましょう。

冬も使えるものを一つ買って、軍手と一緒に持っていくことで「暑ければ軍手、寒ければグローブ」と使い分けて温度調整できます。予算などの関係で、軍手を使う場合は、必ず滑り止め付きの物にしましょう。褒められたものではありませんが、滑り止め付きの軍手は思いのほか汎用性が高く、降雪がない時期であれば防寒の面でも意外にいけます。

バラクラバ

10月の北アルプスと言えば、降雪の可能性が十分ある時期。雪や霰(あられ)に強風が合わさると、殺人的な寒さになるので、顔面を守るバラクラバがあると心強い。

後立山の縦走初日(コチラ)、登山スタート時は晴れていたのに天候が急変。晴れから雪となり、強風とコラボして厳しいコンディションに。バラクラバ無しでは前を向いていられないような状況でした。風雪が顔面にあたると痛いし寒いしで、前を向いて歩くことすら難しくなることがあります。雪山ではもっとすごいことになりますが、秋山もあなどれません。

「銀行強盗」のような装いになってしまいますが、皆そうなので気にせず着用しましょう。ニット帽+バラクラバ+ゴーグルは顔面を守るのに必須です。

山麓の天気予報で「強い寒気が・・・」とあれば降雪の可能性が高くなります。下界では雪が降らなくても北アルプス3000mの世界では雪が舞っている可能性があることを、十分考慮して装備を決めましょう。

ゴーグル

冬型の気圧配置が強くて、余程の大雪、大荒れにならない限りは要らないと思います。雪山では必須のゴーグルですが、秋山(9月~10月半ば)ではなくても大丈夫なことがほとんどかと。あるに越したことはないですけどね(๑´ڡ`๑)

ホッカイロ

グローブ、バラクラバ、貼るホッカイロは体の末端を守る三種の神器だと思ってます。

気温零度を下回るような幕営では、靴下を重ねてシュラフに潜っても、足先の痛さが際立ちます。

10月の北アルプスで寝るときの私の基本スタイルは、「靴下を2枚重ね履きして、2枚目にホッカイロを片足2枚足先とかかと側に貼り、(場合によってはさらに上から靴下を履いて)寝る」というもの。

大げさではなく、それ程に寒くなることがあるということを是非知ってほしいと思います。

テント泊装備

登山でテントを持っていくと一気に荷物が増えるだけでなく、ザックの重さが倍増します。苦労も多い山でのテント泊ですが、それでも多くの人がテントを担いで山を登るのには、それだけの魅力があるからだと思います。

例えば、紅葉で人気の涸沢カールは平日だろうと休日だろうと、シーズン中は満員御礼。布団2枚のスペースに3人で寝るのなんて当たり前。他にも山小屋では食事の時間が決まっていたり、いびきをかく人が大勢いるかもしれません。一方、テントなら自分一人のスペースでゆっくりと休むことができ、寝る時間も起きる時間も自由。夜中にテントから顔を出すだけで美しい星空を眺めることができちゃいます。

そんなテント泊登山に必要な装備をご紹介します。

テント

テント選びのポイントは1人用か2~3人用か、3シーズン用か4シーズン用かということ。一人用ののテントは狭いので中が温かい利点がある一方、ザックなどの荷物を入れると窮屈なのが欠点。私の場合、夏山では2~3人用、冬は1人用の4シーズンテントを使おうと思っています。

冬山登山でテント泊を考えている人は、はじめから4シーズン対応のテントを買った方がいいかもですね。定番はアライのエアライズでしょうか。

山に行くと驚くことに、アライのエアライズとモンベルのステラリッジを使っている人が5~6割という勢いです。いくらなんでも多すぎという雰囲気ですが、手に入りやすく、値段もそれなりなので人気があります。スペックだってしっかりしているので、人気なのも納得。テントはメーカーによって値段がピンキリなので、予算の範囲内で好きな物を選べばいいかと。秋山だからと言って特に気にする必要はないと思います。

グランドシート

グランドシートはどのシーズンであっても必須です。雨対策、汚れ対策、擦り切れ対策、なんにしたって必要な物。メーカーのものを使うか、ホームセンターのブルーシートを切って使うのもありです。よくテントのフライシートからはみ出して使っている人を見ますが、グランドシートがテントより外側にあると、雨水が溜まって床下浸水の原因になるので、フライシートからはみ出ないように置くのがコツ。

ペグ+張り綱

これもテント泊では必須。昼間風がなかったとしても、夜になると強風が吹くこともしばしば。そんな時ペグと張り綱でしっかり四隅を固定していないと、テントが吹っ飛ぶリスク大。吹っ飛ばないまでもポールが折れたり、テントが壊れるリスクが上がります。

ペグは100均などでも売っていますが、長さが短く耐久性も低いので山で使うのは危険です。アウトドア用品店などで売っている物を用意します。ペグには様々な形状があり悩ましいんですが、私が使っているのはV字ペグというもの。

真ん中がくぼんだタイプですね。オールマイティなタイプで、これまで地面から抜けてしまったことはありません。北アルプスでは地面にペグをささず、岩に張り綱を引っ掛けることが多いんですが、それでもペグがあった方が安定するので用意しましょう。ちなみに、毎回張り綱とペグを結ぶのはとっても手間。張り綱とペグは事前に結び、張り綱の反対側にカラビナを結んでおくことで、テント設営時の面倒が省けます。

張り綱はアウトドアショップに行けば好きな長さで買えますすが、自在器具の付いたテント/ツェルト用の張り綱を買ってしまってもいいと思います。私は後者でアライのライペンを使ってます(長いので適当な長さに切って使ってください)。

シュラフ+マット

シュラフのチョイスは非常に悩ましいところ。3シーズンで使うなら、(モンベルであれば)間違いなく#2か#1がおすすめ。シュラフについては「モンベルのシュラフは結局どれが一番良い!?~タイプ別におすすめシュラフを紹介~」で詳細にご紹介しています。

マットについて言えば、雪山では厚いタイプが必要なんですが、アウトドア用の物であれば、秋山ではあまり種類を気にする必要はないと思います

ランタン

人工の明かりがない山では、ランタンが必要不可欠。スノーピークのランタンは握りこぶしより小さいボディに十分な明るさがあるのでおすすめです。日本一周中からずっと使っています。これ一つで真っ暗な北アルプスも余裕ですよ。テント内で本を読むことができるほど明るいですし、電池の持ちもいいかと。

ヘッドライト(ヘッデン)

ヘッドライトは夜中トイレに行くとき、星を見るために移動するとき、万が一遭難してしまった時など、登山では必ずなくてはならない物。明るさを示すルーメンと照射距離が重要ですが、たくさんの種類があって選ぶのが難しい。これは使用実績の多い物を選んでおくのが無難化と。ブラックダイヤモンドのスポットは値段的にも明るさ的にもおすすめ。いつもこれを使って夜中に山の中を歩いてます。秋山とか季節はあまり関係ないですね。

自炊道具

これも季節はあまり関係ないですが、テント泊をするのであれば自炊道具をぜひ持って行きたいですね。暖かいコーヒーを淹れたり、ラーメンを食べたり、あるいは少し凝った料理に挑戦した方が断然楽しいと思います。

SOTOのストーブは極寒でも高所でもしっかり火が点くし、壊れにくい優れものです。日本一周の時からもう何百回と使っていますし、秋の北アルプスはおろか厳冬期の焼岳(ブログはコチラ)でも使っていて、まったく問題ありません。

クッカー(コッヘル)はチタンとアルミの物がありますが、アルミの方が焦げにくく、私のような初心者にはおすすめです。季節は関係ありませんが。

その他の装備類

ウェアやテント以外で安全・快適登山のためにあると便利なものをご紹介しておきます。

レスキューシート

テントの床がだいぶ痛んできて、床下浸水しやすくなってきました。そんな時に完全防水のシートを敷くと、テント内部が濡れなくて助かります。もちろん、遭難した時、体に巻き付けるという本来の用途でも使えるので、一つあると心強いですね。

ファーストエイド、常備薬

餓鬼岳の山頂で熱を出した経験から、解熱鎮痛剤だけは持ち歩くようになりました。山頂で熱が出ると本気で焦ります。備えあれば憂いなしです。ロキソニンやパブロンなど、薬局で買えるもので十分です。他に下痢止めがあると心強い。トイレがない環境で腹痛が起きると死ぬほど辛いですから。

充電関係

日本一周でも登山でも使用しているおすすめのモバイルバッテリー。登山中は航空機モードにしてバッテリー消費を抑えますが、それでもGPSや地図機能を使うと電池を結構消費しますよね。そんな時にモバイルバッテリーが欠かせません。高容量の物があると安心です。上のcheeroは「20100mAh」でiphoneを最低5~6回はフル充電できます。

ウォーターキャリー

2Lのプラティパスに水を入れ、1Lのナルゲンから水を飲んでます。

ナルゲンは1Lがおすすめ。サイズ的にもちょうどいいし、ポカリの粉って1Lの水で溶かすので、1Lのナルゲン(水)にポカリの粉1袋を入れれば簡単にポカリの出来上がり。ポカリなら水分補給、イオン補給、甘いもの補給の一石三鳥で、本当におすすめ。今となってはポカリの粉なしの登山は考えられません。ポカリの粉は薬局やコンビニで売ってます。

行動食

行動食は必ず持っていきましょう。「小腹が空いたけどご飯を食べるほどでもない」時や、万が一遭難してしまった時など、必ず役に立ちます。もし食べなかったとしても、家に帰ってから食べればいいだけですしね。

アウトドアショップで買うと高いので、スーパーなどでミックスナッツを買うのがおすすめ。ミックスナッツの他に、ドライフードも入れると断然美味しくなります。私は大体「ミックスナッツ+クルミ+干しブドウ」のトレイルミックスを自作します。ミックスナッツの中にクルミが入っていることもありますが、クルミは超が付く程の高カロリー食で、登山での行動食に最適。

ちなみにですが、ナッツ類に含まれるカロリーはエネルギーに変わるまで少し時間がかかるんです。そのため、お腹が減ってから、疲れを感じてから食べるのでは遅く、小休止の度にちょくちょく摘まむのが効果的な食べ方です。

また、トレイルミックスは山小屋などで買ったビールのつまみになるという超重要な役割も果たします(笑)

その他

遭難してしまった時、他者に存在を知らせる為の笛、コンパス、熊鈴なんかもザックに入れておきます。北アルプスで熊鈴をつけている人はほとんどいませんが、黒部や雲の平の方には熊がいるっぽいので、持っているに越したことはないですね。

10月の北アルプスでこれって要る?要らない?

  • 前爪のあるアイゼン(10本/12本) ⇒ 異常気象で根雪になっている場合などを除き不要
  • チェーンスパイク(軽アイゼン) ⇒ 降雪はあり得るので、持っていると安心。お守りみたいなもの。
  • ゴーグル ⇒ 10月末に吹雪く予報などがなければ不要

早い年は9月末に、おそくとも10月中には初冠雪がある北アルプス。秋山でどの程度雪が降るか、いつ根雪になるか、どれほど寒いかは年によって異なります。一番信頼できる情報は「山小屋のスタッフブログ」だと思っていて、その点、北アルプスには多くの山小屋があって、ブログの更新頻度が高いので情報をとりやすい。

他にもたくさんありますが、上記三つのスタッフブログは更新頻度も情報の量も多く、私は特に参考にさせてもらっています。

最後に

念には念をで物を持ち過ぎれば荷が重くなり疲れます。何でもかんでもザックに詰め込めばいいわけではありませんが、登山をする上で必要となるものはしっかり用意したいですね。秋の北アルプスは夏山では考えらえない程、夜冷え込みます。ウェア類を中心として、寒さに対応できる荷物を持って、安全・快適登山を楽しみましょう(๑´ڡ`๑)

「いいね」して頂くと、
Facebookで最新情報をお届けします。

お気軽にフォローください
           

  1. 通りすがり より:

    冬季夜間の寒さ対策ですが、
    ナルゲンボトルをお持ちなら、ナルゲンボトルを湯たんぽ代わりにすることをオススメします。
    シュラフに突っ込んでから5~6時間は持ちますよ。

  2. 清宮 健太 より:

    なるほど!
    自分では思い浮かばない発想でした。
    ぜひ試してみます。ありがとうございました(๑╹ڡ╹๑)p♪

comment

メールアドレスが公開されることはありません。

関連記事

【岩手県・早池峰山】台風並みの風の中、固有種の花を求めて(姉妹サイトの記事)

【注意】日本一周中の記事につき、姉妹サイト「Japan Nomad」へ飛びます。 こんにちは!自転車日本一周43日目です。 ブログの更新がリアルタイムから1日遅れてしまったぁ!登山する日はタフな1日に …

【北アルプス】表銀座 縦走(その3)~南岳から望む穂高岳の絶景を独り占め~

北アルプス遠征登山、表銀座縦走3日目です。1日目は中房温泉から燕岳に上がり、大天井岳でテント泊。2日目は大天井岳から東鎌尾根を経て槍ヶ岳まで進んだところまで。 目次北アルプス表銀座 縦走登山(槍ヶ岳~ …

石鎚山 登山(前編)~山頂より望む極上の夕焼け~

霊峰、名峰、西日本最高峰として名高い「石鎚山」を登って来ました!西日本で最も高い山として有名ですが、それ以上に、今回登ってみて感じたのは霊峰としての存在感。山頂には石鎚神社の奥宮があり、神職の方が常時 …

【福島県・磐梯山】福島の名峰「磐梯山」から見下ろす絶景(姉妹サイトの記事)

【注意】日本一周中の記事につき、姉妹サイト「Japan Nomad」へ飛びます。 自転車日本一周23日目の清宮です、こんにちは! 人間、動こうと思えば動くもので、今日は身体に鞭打って頑張りました。その …

大崩山 登山~九州の秘境で、比類なき絶景を求めて~

九州最後の秘境とも言われる大崩山(おおくえやま)を登ってきました!ここでしか見ることができない巨岩の織りなす景色は圧巻の一言。秘境と言われるだけあって人も少なく、山の懐の深さを改めて感じる登山となりま …


名前:清宮(きよみや)
2016~2017年、自転車日本一周達成。日本一周中に山の魅力に気づき、そのまま登山と山岳写真にハマる。でっかいカメラ担いで日本中の山を歩いています。夢は山ガールと登山すること。


follow us in feedly
Feedlyで新着記事を購読する。
292日に及ぶ自転車日本一周の記録。山以外の日本の風景写真。旅に関するコラムなどを扱っています。