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中央アルプス縦走まとめ:おすすめのコースや登山難易度、水場や避難小屋の情報など

投稿日:2017年9月26日 更新日:

中央アルプス縦走のコース概要、難易度や宿泊場所(山小屋・テント場)などの情報をまとめてみたいと思います。木曽駒ヶ岳から越百山までの主脈は、素晴らしい稜線歩きと絶景が楽しめるおすすめのコース。気を付けたいポイントなどを踏まえ、ご紹介していきます(๑´ڡ`๑)

中央アルプス縦走登山の概要

中央アルプスの定義はまちまちですが、木曽山脈の中でも木曽駒ヶ岳から越百山までの区間を指すことが多いです。

主峰の木曽駒ヶ岳などがある北部と比べ、空木岳や南駒ヶ岳がある南部はアクセスが悪いこともあって人の数はぐっと減ります。静かな山行を楽しみたい人は南部がおすすめ。

日本アルプスの中ではこじんまりとした中央アルプス。2泊3日あるいは3泊4日で縦走するのが一般的です。

中央アルプス縦走の特徴(ざっくりと)

中央アルプスを縦走する場合(木曽駒ヶ岳~越百山)の特徴をざっくりと挙げてみます。

  1. ほとんどの行程がアップダウンの連続。
  2. 木曽駒から越百まで歩くとかなり長い。
  3. 稜線には水場がない。
  4. 木曽駒以外にテント場が無い。
  5. 避難小屋が充実している。
  6. 途中に有人の山小屋があるのでエスケープ可能。
  7. 稜線はだいたいスマホの電波が入る(駒ヶ根の町が近い)。

携帯の電波が入ったり避難小屋が充実していたりと、縦走する環境としては整っている方で、水場がないのだけ要注意な感じですね。

中央アルプス縦走のモデルコース

歩く範囲によってモデルコースは変わってくるため、いくつかのパターンに分けてご紹介していきます。

「このパターンじゃなきゃ縦走できない」と言うことではなく、あくまで一例です。どこで泊まろう?どこからどこまで歩こう?と、お悩みの方は参考にしていただけたらと思います。

中央アルプス主脈のマップを作ってみました。お山の位置関係を何となく掴んでから下のパターン分けを読んでいただくと、よりイメージしやすいかと思います!自作です、頑張りました(๑´ڡ`๑)

1. 全山縦走したい(木曽駒ヶ岳~空木岳~南駒ヶ岳~越百山)

ポイントは越百山から木曽駒ヶ岳へと北上すること。越百山から下山しようとするとバスが無いし、タクシーを呼ぶか倉本駅まで延々と歩く辛い最後となりますから。最後が最高峰の木曽駒って言うのも締まりとしても良いですね

全山縦走ではマイカーが使えません。タクシーを使う場合の注意点ですが、縦走起点の一つ倉本駅(上の写真)は相当に自然豊富な場所なので、タクシーはまずいません。この辺りだと上松駅が比較的大きな駅で、タクシー利用可能です。

【パターン1】山小屋を利用して全山縦走したい人
  • 1日目:倉本駅(あるいは伊奈川ダムまでタクシー)~越百小屋(泊)
  • 2日目:越百小屋~越百山南駒ヶ岳空木岳~木曽殿山荘(泊)
  • 3日目:木曽殿山荘~檜尾岳~宝剣岳木曽駒ヶ岳~頂上山荘(泊)あるいはその日に下山

山小屋泊の場合、越百小屋と木曽殿山荘に限られるのでシンプルですね。木曽殿山荘ではなく駒峰ヒュッテを使う場合、食事提供が無いので要注意です(カップラーメンとアルファ米は売ってるみたい)。

【パターン2】避難小屋を利用して縦走したい人
  • 1日目:伊奈川ダム(タクシー利用)~越百山南駒ヶ岳~摺鉢窪避難小屋(泊)
  • 2日目:摺鉢窪避難小屋~空木岳~檜尾避難小屋(泊)
  • 3日目:檜尾避難小屋~宝剣岳木曽駒ヶ岳(下山)

避難小屋の場合、一泊目が摺鉢窪避難小屋と距離があるので、スタートは伊奈川ダム(タクシー利用)としています。倉本駅からその日のうちに摺鉢窪避難小屋まで行くのは常人には無理(コースタイム15時間くらい)。

【パターン3】タクシーは使いたくないけど全山縦走したい人
  • 1日目:倉本駅~金沢土場避難小屋(泊)
  • 2日目:金沢土場避難小屋~越百山南駒ヶ岳~摺鉢窪避難小屋(泊)
  • 3日目:摺鉢窪避難小屋~空木岳~檜尾避難小屋(泊)
  • 4日目:檜尾避難小屋~宝剣岳木曽駒ヶ岳(下山)

全山縦走したいけど絶対にタクシーを使いたくない!と言う私みたいな人だっているはずですよね。そんな人は1日目に金沢土場の避難小屋を利用しましょう。

外見はこんな感じ。もうすぐ自然に還りそう。もののけ姫レベル。

泊まる人を選びそうですが、あるだけありがたい。恋人を連れての縦走などでは使用を避けた方が無難でしょう。雨漏りがちょっと心配

私は利用予定だったんですけどね、ちょっと出発が遅すぎて間に合わず、途中でビバークしました(反省)

全山縦走はこの3パターンが有力かと!

2. マイカーを使って周回縦走(越百山~南駒ヶ岳~空木岳)

周回縦走の利点、それはスタートとゴールが同じ場所なのでマイカーが使えること。木曽駒ヶ岳/宝剣岳は別の機会に譲り、空木岳を中心とした周回登山はマイカー派におすすめです。

上の写真は檜尾岳からの夕景。マジックアワーがきれいでしたー(๑´ڡ`๑)

  • 1日目:伊奈川ダム(マイカー)~越百山南駒ヶ岳~摺鉢窪避難小屋(泊)
  • 2日目:摺鉢窪避難小屋~空木岳~金沢土場~伊奈川ダム(下山)

1泊2日と、土日でも実施可能なので予定を組みやすいですね!

3. 越百山以外を縦走(木曽駒ヶ岳~空木岳~南駒ヶ岳)

中央アルプスの縦走を考える上で厄介なのは越百山の存在です。越百山を除くとアクセスの利便性が格段に高まるので、タクシーを使いたくないという人におすすめのコースとなります。

写真は空木岳山頂から望む御嶽山。駒峰ヒュッテを利用すると空木岳からのご来光/夕日が見やすいのでおすすめ。値段も安いですし。

  • 1日目:千畳敷~木曽駒ヶ岳~檜尾避難小屋(泊)
  • 2日目:檜尾避難小屋~空木岳南駒ヶ岳~空木岳~空木平避難小屋/駒峰ヒュッテ(泊)
  • 3日目:空木平避難小屋~菅ノ台バスセンター(下山)

2日目は空木岳にデポして南駒をピストンしましょう。2泊3日で100名山を確実に2座落とせます。

倉本~木曽駒ヶ岳の各登山道のポイント

縦走のプランニングをご紹介したので、次は木曽駒ヶ岳から越百山までの道のりをざっくりご紹介していこうと思います!

木曽駒ヶ岳~宝剣岳

  • 登山者が多いので初心者の方も安心して登れます。
  • 木曽駒~宝剣岳の登りは鎖場がある岩場で。慎重に進めば誰でも挑戦可能だと思いますが、少し進んで「無理だ…」と感じたら引き返す勇気を持ちましょう。そしたら縦走を止めて木曽駒でビール飲んでゆっくり楽しむのがいいですね(๑´ڡ`๑)

宝剣岳~檜尾岳

宝剣岳のピークからは、先に続く素晴らしい稜線を眺める事ができます。これから歩く道を眺めるのは最高の気分です!

  • 宝剣岳の向こうはガクッと切れ落ちた崖。しっかり整備されてますが、落ちたら大事故。縦走路の中の核心部です。慎重にいきましょう。
  • 角度のある岩場を下りていく形になるため、縦走用の大きなザックを岩に引っ掛けないことが大切。
  • 極楽平からしばらくは、美しい稜線歩きとなります。難所はなし。

檜尾岳~空木岳

  • ハイマツや草がうるさい道が多いです。狭い道も多く、滑りやすい。分かりにくい道もままあり、道迷いに注意。
  • 岩場歩き、危険個所もあります。檜尾岳から空木岳までは全体的にタフ。
  • 東川岳から空木岳にかけて急な登り返しがあるので、頑張りどころ。

空木岳~越百山

  • 空木岳から赤薙岳までザレて滑りやすい斜面。スリップ注意。
  • 南駒ヶ岳から越百山までは比較的歩きやすく、花崗岩を眺めながら気持ちのいい稜線歩き。

越百山~伊奈川ダム~金沢土場~倉本駅

  • 伊奈川ダムから金沢土場までは整備された砂利道、傾斜もほとんどなく快適。
  • 金沢土場~倉本駅はトレースが薄く、道迷いに注意。鬱蒼とした森をひたすら歩きます。傾斜もきつく、樹林帯としての難易度はかなり高め。
  • 馬ノ背~倉本駅は「山と高原地図」に破線ルートが書いてあるものの、この道は荒廃しています。舗装された道を歩いた方が良いんですが、かなり長いです(5km)。

中央アルプスの避難小屋と水場事情

縦走で鍵となる避難小屋と水場についてご紹介していきます。

摺鉢窪避難小屋(すりばちくぼひなんごや)

赤薙岳からガレた急坂を下ります。誰かさんのように捻挫しないようご注意ください。草木がかなりうるさい道を通りますが、イブキトラノオをはじめ高山植物が百花繚乱、癒されること間違いなし。

タンクの中に雨水を貯めてくれており、使えるようになってます。要煮沸。トイレもあります。

2017年夏は改装中でして、誰かさんのように知らないでいったら「原則使用不可」とならないよう、事前にリサーチしていきましょう!

檜尾避難小屋

檜尾岳からすぐなので便利です。丸い屋根が可愛い避難小屋。収容人数が少ないので(10人程度)、お盆などの混雑時はツェルトがあると安心。近くに水場がありますが、秋は枯れている可能性が高いのであまり期待しない方が良いです。

トイレあり。

空木平避難小屋

夏山では土日、管理人さんがいるそうです(ビールとか売ってるらしいですよ)。避難小屋と山小屋の中間みたいな立ち位置でしょうか。

空木岳からは沢筋を歩いて30分程度。沢筋なので、水が取れます。山と高原地図に水場のマークが付いていないのが気になりますが、私は普通に使ってました。内部は広く、20人くらいは収容可能だと思います。

空木岳から割と広くて迷いやすい道なので、朝や夜歩く場合は要注意。

トイレあり。

中央アルプス縦走の要「木曽仲義の力水」

木曽殿山荘から15分くらいの所に「木曽義仲の力水」という水場があります。中央アルプス縦走では要となる水場なので、忘れずに補充しましょう。

越百山の樹林帯や空木岳に至る池山尾根には水場がありますので、そこでしっかり「稜線に出る前の補充」をして、次は「木曽義仲の力水で2回目の補充」することがポイントかと思います。

中央アルプスってどれくらい寒いの?天気は?

中央アルプスの稜線は2700~2800mほどの高所です。9月に入ると朝晩はかなり冷え込みますので、この時期に縦走を予定している方はしっかりとした防寒具が必要となります。

9月に入ったら朝晩は一桁を覚悟する

避難小屋の標高は2600m程と高いので、9月に入ると一気に冷えてきます。テントに比べるとかなり暖かいですが、それでも朝晩は気温一桁になることも多くなるのでインナーを中厚手にして、フリースに加えてダウン上下があると心強いですね。

紅葉登山(9月末~10月)はかなり寒い

紅葉がきれいな9月末から10月頭はかなり寒くなり、ご来光や日の入りを眺めるのも辛くなってきます。10月も半ばになると雪が降る可能性が出てきて、いよいよ山は冬支度。

この時期は貼るホッカイロを持って行きましょう。足先に貼るだけで寝る時の快適さがだいぶ変わるはずです。

山域は違うものの「秋(9月~10月)に北アルプスでテント泊登山する時の装備【まとめ】」が参考になります。

中央アルプスの天気(夏)

夏は山域南部を中心にガスが湧きやすいです。越百山~空木岳は日の出とともに攻める感じでいきましょう。私はこの夏、毎日ライブカメラでチェックしていましたが、空木岳のガス率は相当高いと思います。

中央アルプスは西風をもろに受け、太平洋側に近いですからね、湿った空気の影響で夏はガスが湧きやすい。一方、冬は弱い冬型でも快晴となることが多く、登山適日が多くなります(参考:木曽駒ケ岳 雪山登山~絶景を約束された白銀の千畳敷カール~)。

中央アルプス縦走まとめ

  • 全山縦走、周回縦走、一部縦走などバリエーション豊富。
  • 南部はアクセスが悪いので、スタートとゴールは工夫する。
  • テント場が基本ないので避難小屋か山小屋利用が基本。
  • 水場が少ないので、要所で水の補充を忘れない。
  • 全体的にアップダウンが多く、あまり初心者向きではない。
  • 稜線、花崗岩が美しく、景色は最高。
  • 秋になると一気に寒くなります。しっかりとした防寒具を忘れずに。

中央アルプスのブログ

いかがだったでしょうか?中央アルプス縦走登山の参考になれば幸いです(๑´ڡ`๑)

中央アルプスの厳選写真!!

中央アルプスの本気レタッチ写真を写真館として「『写真館』中央アルプス~日本屈指の稜線美「木曽山脈」を撮る~」にまとめています。ブログ記事アップの段階では"それなり"のレタッチですが、私が写真として最終形態にした写真を載せている場所です。ぜひ併せてご一読ください(๑╹ڡ╹๑)p♪

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